「1億円募金」運動とは

経済的理由で苦しむ生徒を救うため、
私立高校の教師たちが始めた活動が始まりです。

「1億円募金」を語る上で、まず『愛知私学奨学資金財団』について説明します。

愛知私学奨学資金財団は、1976年に私学の先生たちが学費を払えない生徒のためにカンパを募り、また自らも資金を出しあって発足させた財団です。オイルショック直後という厳しい時代。当時の学費の公私格差は33倍を超え、その過重な負担に耐えきれず、多くの私立高校生が学校を去らなければならない現実がありました。そうした状況の中、現職の教師たちが「目の前で苦しむ生徒を救おう」と創設したのです。

父母や生徒が自発的に立ち上げた募金活動。
奨学金の財源の一部として、なくてはならない存在になっています。

厳しい不況の中で、リストラによる失業や倒産で就学を断念しなくてはならない生徒が急増し、財団の資金が底をつきはじめたことからはじまった取り組みが「1億円募金」運動です。「経済的理由で学校をやめなければならない高校生を救え!」をかけ声に、愛知県下の高校生、父母、教師へと急速に広がり、今では全国にも例をみない活動に発展しています。

当初はなかなか手が届かないと思われていた1億円という大きな目標も、多くの支援により2006年に突破しました。しかしながら、その後も奨学金希望者が増え続けている状況を受け、「1億円募金」の名のまま現在も募金活動を続けています。

そして今、この「1億円募金」運動は、奨学金の財源として、なくてはならない存在となっています。